梶本哲史、アントン・ブリッジ著
東京(ロイター) – トヨタ自動車は水曜日、工場労働者に過去25年間で最大の賃上げを与えることで合意し、大幅な賃上げが同国の中央銀行に金融政策の大幅な変更を行う余地を与えるのではないかとの期待が高まっている。
トヨタ自動車、パナソニック、新日鉄、日産自動車は、水曜日に終了した年次交渉において、賃上げを求める労働組合の要求に完全に応えることで合意した日本の最大グループの一つである。
賃上げは中銀が来週にも長年にわたるマイナス金利政策を解除するのに役立つと見込まれているため、今年の交渉は注目されている。
世界最大の自動車メーカーであり、伝統的に年次交渉のリーダーであるトヨタは、月給最大2万8440円(193ドル)の増額と過去最高額のボーナス支給の要求に合意したと発表した。 従来の慣例に従い、会社は昇給率を示さなかった。
「賃金上昇に対する強い圧力が見られる」と日本の政府最高報道官兼官房長官の林芳正氏は記者団に語った。 「賃金上昇の力強い力が中小企業にも波及することが重要だ。」
また、この結果は2016年から導入されているマイナス金利をいつ解除するかを決定する上で重要なデータとなるため、日本銀行もこの結果を注意深く監視している。
景気回復を目指して他の先進国に比べて長年にわたり大規模な景気刺激策と超低金利を維持してきた日本の中央銀行は、次回の金利決定会合を3月18日と19日に開催する。
金融庁の上田和夫総裁は水曜日、議会で大規模刺激策の終了時期を決定する上で「今年の年次賃金交渉の結果が基礎となる」と述べた。
日本最大の労働組合連合によると、大企業の労働者らは年間5.85%の引き上げを要求しており、これが承認されれば31年ぶりに5%の水準を超えることになる。
カスケード効果
もう一つの明るい兆候として、小規模産業の労働者を代表する労働組合である日本金属機械製造労働者協会(JAM)は、組合員に保証された賃上げが予想を上回っており、労働者の意識に変化が生じていると述べた。
JAMの安河内賢弘社長は記者団に対し、「国内と海外の賃金格差が大幅に拡大していることに、ようやく日本人も気づき始めている」と語った。
日本では中小企業は労働者の10人に7人を雇用しているが、コストを顧客に転嫁する力が弱いため、大幅な昇給を提示するのに苦労している。
日本金属労働組合協議会の金子明弘会長も安河内氏の意見に同調し、今年の結果が賃金上昇とインフレの好循環につながることを期待していると述べた。
トヨタのような大企業は、インフレ調整後の実質賃金が22カ月連続の連続下落を逆転できるよう、チェーン全体での賃上げを促進するよう政府から圧力を受けている。
トヨタ自動車の人事部長、東隆則氏は記者団に対し、「われわれの成果がすべてのサプライヤーに波及することを願っている」と語った。
同氏は「我々は一次サプライヤーに対し、それを二次サプライヤーなどに転嫁するよう引き続き要請する必要がある」と述べ、最終的に賃金の決定は各企業に委ねられていると付け加えた。
(取材:梶本哲史、ダニエル・ルーシンク、白木真紀、サム・ナッシー、アントン・ブリッジ、杉山聡、木原ライカ)
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